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〈留学前〉
Q. 海外の大学に進学した理由をお教えください。
16歳の時に高校のプログラムで参加したイギリス短期研修で、イギリスの大学で学ぶ魅力を感じたことが最初のきっかけでした。しかし高校卒業時は正規留学の情報やルートがなく、1年の浪人を経て日本の大学に進学し上京しました。それでも海外留学を諦めきれず情報収集を続ける中でMSA(留学前に在籍していた予備校)とIFUを知り、当時在籍していた大学を中退してでもイギリスの大学に進学したいという強い意志が芽生え、受験に合格したことで進学を決断しました。
Q. バンガー大学を希望した理由。また、その大学を選んで良かったと思う点を教えてください。
理由は複数あります。バンガー大学は心理学分野で評価が高く、ビジネススクールとしても力があること、そして自分が学びたいモジュールが揃っていたことです。また都市部ではないため学生生活に集中でき、無理なく確実に卒業を目指せる環境だと感じました。専攻は当初ビジネス・マーケティング中心を希望していましたが、AIの急速な発展を背景に、人間理解に根差す心理学にも関心を持ち、両方を学べる点を重視して大学を選びました。良かった点は大きく二つで、柔軟に学習できたこと、そして小さな街だからこそ多くの人とつながりやすく、国際的な友人関係やコミュニティを広げられたことです。娯楽は都会より少ない一方、友人と集まりやすく活動しやすい環境でした。
〈ファウンデーション・コースについて〉
Q. ファウンデーション・コースで学んだ内容で、特に大学学部に入ってから役立ったことは何ですか?
リーディング、特に長文から必要箇所を抜き出して引用する力が鍛えられました。リスニングも反復学習でオンラインでも十分に耳を慣らすことができました。また、スペシャルサブジェクト(専攻に関連する科目。自分の場合は心理学・数学・ビジネススタディ)で学んだ内容が大学授業の予習となり、学部の講義が復習のように感じられて学習が進めやすかったです。
Q. ファウンデーション・コース中の過ごし方を教えてください。
コロナ禍で、日本でのオンライン授業と現地授業が半々というイレギュラーな形でした。日本で受講する際は時差があり、生活スケジュール調整が必要でした。アルバイトや家族・友人との時間を確保できた一方で、オンラインだけで準備することには違和感と限界も感じていました。バンガー渡航後は制限がある中でも可能な限りアクティブに行動し、ホストファミリーとの会話で日常英語を鍛えました。学校では日本人同期と高い学習目標を立てて努力し、大学開始に向けて日々取り組みました。大学生との交流が難しい中でも、ホストファミリーを通じてローカルの友人を作ることができ、今も交流が続いています。
〈大学学部進級後・大学学部生活について〉
Q. 大学の学部ではどのようなことを学びましたか?
ビジネス・マーケティング分野の基礎から実践まで幅広く学びました。イギリス企業や団体を題材に、グループで市場分析やコンサルティングを行うなど、実用的な学習レベルは日本と比べても高く感じました。心理学では医療・ヘルスケア分野の学習に加え、顧客心理(Consumer Psychology)の研究やブログ作成なども行い、まさに自分が望んでいた分野を学べました。
Q. 大学ではなにか活動をされましたか?
部活動:フットボール部、ドッジボール部
サークル:Japanese Society(部長)
Q. 大学の授業があるときの平日の過ごし方、休日の過ごし方を教えてください。
<平日>授業出席を最優先にしつつ部活動も両立できるスケジュールを組んでいました。日曜・月曜に練習、水曜が公式試合の日でした。授業は午前と午後、部活やソサエティ活動は夕方以降だったため、空き時間は休むかオンラインでアルバイト講師をしていました。
<休日>授業の入っていない日や土曜日が休みでしたが、部活練習やローカルチームでの練習・リーグ戦が入ることもあり、丸一日家で過ごす日は多くありませんでした。時間があれば友人と出かけたり、長期休暇には遠出や海外旅行もしました。クリスマスシーズンは、日本人で集まって過ごすこともありました。
Q. 滞在方法について教えてください。
ファウンデーション期間:ホームステイ
大学1年生:学生用アコモデーション(Ffriddoedd Village)
大学2年生:シェアハウス(イギリス人4人)
大学3年生:シェアフラット(日本人1人)、ホームステイ(一時的)
Q. 海外の大学ならではと思ったエピソードがあれば教えてください。
大学が持つナイトクラブがあり、毎週水曜(部活動の日)の夜にクラブイベントがある。
教授によっては授業開始前に爆音で音楽を流して盛り上げてから授業が始まる。
教授と学生の距離が良い意味で近く、授業外でお茶をする学生もいる。
フィールドワークがあり、シビアというよりラフな雰囲気で授業が進むことがある。
講義ホールがイベント会場やパーティ会場になることがある。
Student Union(学生団体)の影響力が強く、学生主体で動いている。
多くの大学にライバル校があり、Varsityという大学対抗イベントが毎年ある(日本でいう早慶戦のようなイメージ)。
学生一人ひとりにチューターがつき、定期ミーティングで学生生活のサポートをしてくれる。
Q. 留学をして一番大変だった経験を教えてください。また、どうやってそれを乗り越えましたか?
ゼロから友達作りをすることと、部活動に馴染むことが一番大変でした。コロナ明けの入学でバンガー到着が遅れ、新入生イベントに参加できなかったため、自分から積極的に情報を集めて様々な人にコンタクトを取りました。フラットメイトとも積極的に話し、早い段階で馴染むことができました。授業も当初はオンラインだったため同じモジュールの仲間を見つけるのに苦労しましたが、最初にできた友人を起点に人間関係を広げました。積極性と外交的な性格が困難を越える鍵になったと思います。クリスマス休暇などは学生が一斉に帰省して街が寂しくなるため、日本人同士で集まったり、友人の地元へ出向くなどして、ひとりの時間だけにならない工夫をしていました。
〈留学全般について〉
Q. 留学経験で得たものは何ですか?
専門的な知識、グローバルな人間関係、日本以外でも生きていける自信、ものごとを俯瞰して捉える力、チャレンジ精神。
Q. 留学の経験を今後どのように活かしていきたいと思いますか?
留学が終わったら消えていくものにせず、一生残したいと思っています。将来のビジネスやプライベートに活かし、人生の質を高めていきたいです。また、バンガー大学フットボール部OBとしてOld Boysに参加し、交流を途絶えさせず、横のつながりだけでなく縦のつながりも広げていきたいです。
Q. 「人との出会い」という点について感じること、エピソードがあれば教えてください。
出会ったすべての人には何かしらの縁があると考えています。フットボール部に3年間所属し、勉学がすべてではないことも学びました。言語や人種の壁がある環境に飛び込み、周囲に負けないよう挑戦し続けることで、相互にリスペクトのある関係を築けたと思います。友人と飲みに行く、試合を見に行くなどの些細な日常が、振り返ると学業以上に貴重な思い出になっています。
入学直後、1年生で住んだフラットは全員ランダムに振り分けられましたが、そのメンバーと非常に仲良くなり、2年目は同じ5人でシェアハウスをしました。今でも全員と連絡を取り続けています。ランダムな出会いが、一生残る仲間と経験につながりました。日本が好きな学生も多く、日本の魅力を伝え続けた結果、実際に日本へ渡った友人もいます。他者の人生に影響を与えられることも実感しました。
Q. 留学となると語学力・費用面がネックになる人が多いようです。高校時代の勉強、英語不安の克服、奨学金などについて教えてください。
高校時代は特別な勉強はしておらず、当時は留学進路が自分にはなかったため、受験勉強の一環としてリーディングやリスニングを学んでいました。留学のきっかけとしては、イギリス短期研修への参加くらいです。英語力は大学受験勉強で基礎を鍛え、単語をひたすら覚えました。日本の大学在学中にMSAと出会い、講師の指導のもと英語力を磨くことで自信がつきました。留学前から英検準1級を取得しており、IELTSも規定スコアをスムーズに獲得できました。
スピーキングは慣れが大きく、現地に住み始めて3ヶ月頃から聞き取りができるようになり、半年を過ぎた頃から会話がスムーズになりました。現在は大学イベントやフットボールの試合でも困ることはありません。
経済面は基本的に親の支援で、アルバイトで工面したのは一部です。奨学金も調べましたが適当なものがなく利用しませんでした。
〈就職活動について〉
Q. いつごろから、どのような形で就職活動を始めましたか?
大学2年生の終わり頃(4月)に開始しました。ロンドンキャリアフォーラムに飛び入り参加したのが最初の大きなイベントで、その後、同年6月の東京キャリアフォーラム、11月のボストンキャリアフォーラムに参加し、最後にボストンで内定をいただきました。CareerForum.Net(アプリ)を利用して情報収集や応募を進めました。競争が激しいため、就職活動応援アルファアドバイザーズ事務局に個別指導してもらいながら就職活動に取り組みました。
Q. 就職活動中、日本企業が海外大学卒業生採用に積極的だと感じましたか?また、どんなときにそれを感じましたか?
企業によってはCEOや代表がキャリアフォーラムに出向き、最終面接を行っていました。また、事前登録や面接が不要なウォークインシステムを導入している企業も多く、ウォークイン経由で内定に至るケースも少なくありませんでした。海外正規留学の学生が、国内学生や短期交換留学の学生より優遇されていると感じる場面もあり、海外大学の企業説明会に参加すると書類選考が免除されることもありました。英語力以外では、学生生活でどれだけ挑戦し、学業以外の活動をしてきたかが評価されると感じました。テンプレート的な就活準備は、大手ほど見抜かれてはじかれる印象もありました。
<2024年7月インタビュー>
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